Googleが、GCP を使って円周率31兆桁を計算したそうです。従来記録を9兆桁上回る世界新記録とか。
- ITMedia:Google、円周率計算31兆桁達成 世界記録更新
「Google が円周率計算なんて大人げない」という意見もありますが、クラウドで円周率計算をするとどうなるかという意味では興味深いです。コストがいくらなのか気になったので、料金を試算してみました。
円周率計算が n1-megamem-96 1インスタンス、計算した結果を出力するストレージノードが n1-standard-16 24インスタンスで、それぞれ 10TB SSD の永続ディスク接続しているとのこと。永続ディスクは iSCSI 接続とのこと。計算よりもストレージがネックなんですね。
ストレージノードの n1-standard-16 は、CPU はそれほど必要ではないと思われますが、ネットワーク帯域幅が vCPU の数によって自動的に決まるので、 ネットワーク帯域幅を確保するために n1-standard-16 とした、とのことです。
計算処理は 111.8日、トータルで 121.1日かかったそうですが、ざっくり4ヶ月として計算すると下記のようになります。
種別 | マシンタイプ | 月間料金(コスト) | 量 | 4ヶ月コスト |
計算ノード | n1-megamem-96 (vCPU96・メモリ1.4TB) | $5,454 | 1ノード | $21,816 |
ストレージノード | n1-standard-16 (vCPU16・メモリ60GB) | $388 | 24ノード | $37,248 |
ストレージノード | 永続ディスク (PD) SSD 10TB | $1740 ($0.170/GB) | 24個(多分) | $167,040 |
合計で $226,104、 日本円だと 25,291,993 円となりました (2019/03/15 現在 1ドル111.86円で計算)。 永続ディスクのスナップショット料金は含めていません (当初 $75,768、日本円で 8,475,408円 と書いてましたが、SSD を 1TB と間違えていましたので再計算しました)。
GCE インスタンスについては継続利用割引適用済なので 30% 引きです (継続利用割引については こちら をどうぞ)
確約利用割引は 1年または3年しか選べないので、今回の4ヶ月という期間にはあわず使っていません。ちなみに以前調べたところでは、確約利用割引は1年で37%引き、3年で55%引きでした 。
詳細は Google のブログをご覧ください。
生成した円周率ファイルが含まれるディスクのスナップショットもありますので円周率が正しいか誰でも検証できます。NTFS・XFS 版が用意されているので、Windows・Linux 等でアクセス可能です。スナップショットから永続ディスクを生成すると1日40ドルかかります。2020年3月14日までこのスナップショットが使えるそうなのでお急ぎください!
メモ
GCPUG slack での yuryu さんの発言 (2019/03/19)
Q.
これは n1-megamem-96 に iSCSI イニシエータを設定し、n1-standard-16 x 24 に iSCSI ターゲットを設定し、n1-megamem-96 では /data0~/data23 とかでマウントした、的な理解でよいのでしょうか。
A.
はい、そんなかんじです。なお今回はSSD-PDを使いましたが、結果的にはStandard PDでもいけたので、もうちょっともっと安くできたと思います。どっちにしても個人ではちょっとお高いですが…
n1-megamem-96 のディスクは結果を格納するためにつけてあって、30TBの SSD-PD をつけてあります
そうですね。あとiSCSIのターゲットはメモリいらないので、highcpu にすればもっと安くなります。あと16 CPUじゃなくて8CPUでもスループットそんなに変わらないと思います。この辺は富豪的にやってしまいました。